Pisa Design (ピサ デザイン)

Monika Luukkonen

春の訪れを感じはじめたある土曜日、Pisa Designの創立者であり、テキスタイルデザイナーのサトゥ・ソメロ(Satu Somero)さんに会いに、車で再びカラヨキに向かいました。

カラヨキにある彼女のスタジオの住所はとてもかわいらしく、その名も“リスの巣16番地”(Oravanpesä 16)というのですが、現地に到着した際、なぜそんなふうに名付けられているのかしら、と思いました。

サトゥのスタジオはとても温かみのある小さなコテージで、サトゥ一家の住まいに隣接しています。(ちなみに彼女は夫と小さな息子と娘のふたりの子どもたちと暮らしています。)

サトゥがグルテンフリーの焼き菓子とコーヒーを用意してもてなしてくれたことは本当にうれしい驚きでした。(彼女はわたしのようにセリアック*でした。/*グルテンでの免疫反応があるためグルテンを避ける食事管理が必要。)

それからわたしたちは棚の上に配置されている美しい商品に囲まれた彼女のスタジオに座って、コーヒーとお菓子を味わいながら、くつろいだフィンランドファッションにおけるピサ・デザインの歴史や背景についていろいろな話をしました。

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サトゥはデザインやアートに幅広いバックグラウンドを持っています。織り工としての職人であり、デザイナーであり、そして教育者なのです。彼女はヘルシンキのアアルト大学で、初期のデザインプログラム(ヘルシンキ周辺の3つの異なる大学が工業ならびに商業デザインを学部に取り込むというアイデアがまさに開始されたタイミングで)を学びました。その後、サトゥは2003年にピサ・デザインを創立し、現在会社は15周年を迎えています。

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ピサ・デザインは家庭用テキスタイル全般、衣服、ファッション小物(バッグやポーチなど)、サウナ専用テキスタイルをプロデュースしています。

サトゥは主にリネンを素材として使用し、いくつかの商品は綿や魚のうろこ(魚製品の残さ)あるいは、古いビデオテープをリネンと一緒にリサイクルした材料を使っています。

ピサ・デザインのサウナ用テキスタイルは、まるで清潔で温かいお風呂で入浴したあと、浴衣でくつろぐ日本の温泉旅館を思い起こさせてくれます・・・。

彼女の製品には何かしらフィンランドらしさと日本らしさが同時に漂っているんです。

さらに、サトゥが話してくれたことには、彼女は色彩をとても意識していました。

そして、ひとたび棚に配置されているサトゥの作品を眺めると、彼女がテキスタイルの中で使っている色彩に静けさと土っぽさがあいまってとてもナチュラルな雰囲気を見て取ることができます。

最近、商品のみならずこうした企業自身の価値にわたしはますます注目していること、そしてすっかりピサ・デザインとサトゥに恋してしまったことを認めなければなりません!

ピサ・デザインのサステナブル(環境が破壊されず持続可能であること)でエシカル(環境や社会に配慮した)な製品は、生産条件(機械で作るとしても)に則っているというだけでなく、作り手が製造過程でリサイクル素材や、廃棄物ゼロの環境に配慮した素材を使用することで自然環境やテキスタイルの機能性をも安全に保つことになります。

わたしはまた、サトゥがどこからそういったインスピレーションを得ているか聞いてみたいと思いました。カラヨキのシポンヨキ(Siiponjoki)エリアにある自然や森、木の幹、海辺といった彼女がしょっちゅう訪れる場所には彼女の仕事に対するインスピレーションの大きな源があります。

「大都市を訪ねて、たくさんの人々に会い、そこでの社会活動に勇気づけられることはすばらしいことなのだけれど、カラヨキに戻り、そこでの静けさや静寂に浸って、自然から触発されることが、わたしにはいつも必要なの。」とサトゥは説明してくれました。

彼女はピサ・デザインとして年に数回ある国際見本市に参加するためしばしば海外へ赴きます。そして、たとえピサ・デザイン本社が地方の海辺の町にあろうとも、サトゥはスカイプやメールを駆使し、異なる5つの国々と連絡を取り合いながら日常的に業務を行っています。

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リサイクルビデオテープが含まれた素材で作られたバッグやポーチは、

高級感ある雰囲気や輝きを醸し出します。

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魚のウロコを使った革新的な商品

ピサ・デザインはすでに日本との取引の実績があります。サトゥはそれまで何度か日本を訪れ、2015年についに日本の商業見本市に参加することができ、2016年の早い段階で日本から最初の発注を受けました。

ピサ・デザインの商品は、日本でいうと例えば伊勢丹で販売されています。

次回ピサ・デザインとサトゥは、2018年5月下旬に東京ビックサイトで開催されるインテリア・ライフスタイル展のために来日します。

コーヒーを飲みながらおしゃべりをした後、サトゥは彼女がインスピレーションを得ている静かな海辺のお気に入りの場所に連れていってくれました。

凍った海はただただ静けさと静寂が漂い、無限の空間が広がる場所でした・・・。

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カラヨキの凍った海にたつサトゥ

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海辺で夏のテーブルセッティングを施したピサ・デザインのテーブルクロス

ピサ・デザインについてもっと知りたい方はコチラをご覧ください。pisadesign.fi

モニカ・ルーッコネン:フィンランドのライフスタイル専門家でノンフィクションライター。モニカは日本でフィンランドのライフスタイルの本を複数出版しています。彼女の最初の著書『ふだん着のフィンランド』グラフィック社 2015年

http://www.graphicsha.co.jp/detail.html?p=31593

『フィンランド人が教えるほんとうのシンプル』 ダイアモンド社 2016年

http://www.diamond.co.jp/book/9784478069233.html

三冊目の著作が2018年4月に上梓される予定です。

 

 

翻訳:Miki Kanda

写真:Monika Luukkonen & Pisa Design