日本から体験入学にやって来た高校生
2018年の3月、春休みを利用してカラヨキを12日間訪問していた2人の愛らしい日本の高校生に会う機会に恵まれました。
福岡から来た高校生のチオ(16)とヒナコ(17)です。2人の少女は日本の旅行社が提供している世界で学ぶ教育の旅プログラム、福岡エリアからのカラヨキへのはじめての学生でした。
カラヨキでの教育旅行をアレンジしているのは地元の学校と協働している地方の旅行先マネジメント会社であるカラヨキブッキングセンターです。
少女たちいわく、「たぶん来年は福岡からもっと多くの学生たちがカラヨキに来ると思います。」
私はまた受け入れ家庭の少女たちツーリア(16)とヤスミネ(17)にも会いました。
ツーリアの家ですてきな夕暮れのお茶をしながらおしゃべり。聞いたところによると、チオはツーリアの家に、ヒナコはヤスミネの家に滞在し、それぞれの家庭から毎日通学していたとのこと。
学校ではチオとヒナコは1年生のクラス(カラヨキ高校の)に参加し、その学年には常に誰かしら海外からの受け入れ学生がいたといいます。
少女たちは、英語、美術から音楽までバラエティに富んだ国際的な学習プログラムに参加したそうです。
アイススケートの様子とホストファミリーの学生たちと農場を訪問
私は2人の少女に、日本の学校生活で学んでいることと、カラヨキでの経験を比べてどんな違いを感じるのか聞きたくなりました…。
教え方や学び方が、日本で学校へ通っているときとカラヨキ高校で異なることをチオとヒナコから学びました。
日本では、教師はしばしばテストのために暗記することをただ教えるのです、と少女たちは説明してくれました。
フィンランド人の少女たちツーリアとヤスミネが言うには、カラヨキの学校では授業の間じゅう、双方向性のあるKahootというコンピュータ(フィンランドでは新たに国が整備したカリキュラムとして、全ての教科をKahoot(タブレットを使いクイズ形式の問いなどがあるICT教材)を用いて学びます。)を用いたグループディスカッションやグループワークです。
「そしてまた、美術や音楽の授業の間ずっと生徒たちは創造的なことに取り組んでいるわね。」
「カラヨキでの創造性を育む教育のレベルは本当に素晴らしい。」チオとヒナコも相づちを打ちました。
屋外での活動
スノーモービルサファリに乗って
クロスカントリースキー
ツーリアはまた彼女らの学校の教育課程について、自治体が学んでいることに言及しました。
フィンランドでの新しい学校における国のカリキュラムによると、通年ごとに最低一つのテーマを明確に定め、各校が取り上げた課題を融合させた内容で成果物あるいは教科にそのテーマを盛り込み、様々な視点で取り扱っています。(例えば、オウルでの娘の学校では、小学1年生の時のテーマは「安全」でした。そしてフィンランド語の時間や体育など異なる授業でこのテーマが取り扱われました。)
私たちがカラヨキ高校で学んでいる教材や道具について話していたとき、チオとヒナコは、日本では黒板やチョークが未だ主流だと触れました。カラヨキでは、教室内にあるのはホワイトボードとマーカーです。
日本では携帯電話が授業では使用されませんが、フィンランドでは時々使われています。
さらにツーリアとヤスミネが続けるには、今では教科書を完全に使わず、いくつかの章だけ使い、多くは電子書籍で学んで、環境のテーマについては日常的な学びの一部になっているそう。
受け入れ側の生徒たちや家族と、カラヨキの交流組織はチオとヒナコのために多くの自由活動の時間をサポートしています。
チオとヒナコはキックスレッド(フィンランド特有の雪道を移動するためのそり)や、乗馬、アイススケート、クロスカントリースキー、Kokkolaという近くの大きな町へショッピング、農場へ動物を見に行ったり、スノーモービルで移動したりしましたーこれらは彼女たちの自由活動のほんの一部なのです。
チオとヒナコはカラヨキの幼稚園を訪れました
ツーリアの母親ハンネルと少し話したとき、彼女が言うには、少女たちは本当にフィンランド料理を楽しんでいるように見えたそう。
ある日はフィンランド式ミートボールを作ったと彼女は言っていました。
みんなと話したその日の夕暮れには、スグリのジュース(ハンネルが自身で庭から採って来たベリー)、紅茶、菓子パン(pullaと言います。)とアイスクリームでした。
私はもう本当にこの日の日本とフィンランドの教育談義に、触発されっぱなしだったのでした!
チオとヒナコとホストファミリーの学生たち
Monika Luukkonen
モニカ・ルーッコネンはフィンランドの生活文化専門家であり、ノンフィクションライターです。
モニカの最新作『マイタイム 自分もまわりも幸せになる「自分のための時間」のつくり方 』Discover 21 より2018年4月出版。
この著作で、彼女はフィンランド人がどのように働く親として家庭生活とキャリアを同時に成り立たせているのかお伝えできればと願っています。
「マイタイム」というコンセプトを皆さんの日常に加えることで、慌ただしい家族との生活に調和を見出し、あなたらしさを取り戻せるでしょう。
詳しくはこちらのリンクをご覧くださいwww.d21.co.jp/shop/isbn9784799322543
また、これまでの著作は次のとおりです。
『ふだん着のフィンランド 』
www.graphicsha.co.jp/detail.html?p=31593
『フィンランド人が教えるほんとうのシンプル 』
www.diamond.co.jp/book/9784478069233.html
モニカはおよそ20年にわたり日本のマーケットでの経験があります。彼女はまた国際的マーケティングとセールス(例えばテレコムや医療技術、ビジネスコンサルティングなど)のバックグラウンドを有しています。
モニカは、日本とイギリスに二度ほど住んだことがあり、現在は彼女の故郷であるフィンランド北部のオウル市に娘と在住。
モニカは、読書、ウォーキング、瞑想や自然の中で過ごす時間を楽しんでいます。
よりモニカを知りたい方はツイッターやインスタグラムにて!
www.instagram.com/monikaluukkonen/
翻訳:Miki Kanda
写真:Monika Luukkonen & Tuulia & Kalajoki Booking Centre